【プレスリリース】ElevationSpaceとDigitalBlast、低重力環境での植物栽培実験環境提供のため、小型宇宙利用・回収プラットフォームの利用に向けMOUを締結 2026年の初回打上げを目指し、協議を開始しました
2022年8月17日
株式会社ElevationSpace(本社:宮城県仙台市、代表取締役CEO:小林稜平、以下ElevationSpace)と、株式会社DigitalBlast(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:堀口真吾、以下DigitalBlast)は、DigitalBlastが開発する重力発生装置「TAMAKI」を用いた植物栽培実験環境を提供するため、ElevationSpaceが開発・提供する小型宇宙利用・回収プラットフォームのサービス機「ELS-R1000」の利用に向けた検討に関する合意書(Memorandum Of Understanding、以下MOU)を締結したことをお知らせいたします。
近年、NASAによるアルテミス計画をはじめとした有人宇宙探査が盛り上がりを見せており、宇宙環境での食の確保や植物栽培に対する課題意識が高まっています。国際宇宙ステーション(以下ISS)等の微小重力環境が植物の育成に大きな影響を及ぼすことが明らかになっている一方で、月や火星といった低重力環境の植物育成への影響は現在十分に把握できていません。
本MOUにより、ElevationSpaceとDigitalBlastは、DigitalBlastが開発する重力発生装置「TAMAKI」を用いた月・火星を模した低重力環境での植物栽培実験環境を提供するため、ElevationSpaceが開発・提供する小型宇宙利用・回収プラットフォームのサービス機「ELS-R1000」への本装置の搭載の実現を目指してまいります。双方の技術を最大限に活用することで、微小重力環境下での植物栽培における研究機関への実験環境の提供や、宇宙関連商品の開発を行う民間企業への実験結果の提供を行い、さらなる宇宙ビジネスの発展につながることが期待されます。
なお、2026年の初回打上げを目指し、両社で協議を進めてまいります。
■小型宇宙利用・回収プラットフォーム「ELS-R」について
「ELS-R」は、人工衛星内に複数の装置を載せ、宇宙実験や製造等を行うことができる小型宇宙利用・回収プラットフォームです。ISSは、2000年の本格利用開始からこれまで、基礎科学的な実験から創薬などの産業利用まで幅広く利用されてきましたが、構造寿命などの関係から2030年末に運用が終了する可能性が高く、宇宙利用を行う場所が無くなると考えられています。そこでElevationSpaceは、代わりとなるプラットフォーム提供を目指しています。小型で無人の人工衛星を用いるため、ISSよりも安く、簡単に素早く利用できるのが特徴で、優れたユーザビリティを有しています。人工衛星に搭載し実験等を行ったペイロードは、運用終了後に地球で回収し、分析等に活用することができます。
2023年後半に技術実証機「ELS-R100」の打上げ、2026年にはサービス提供機「ELS-R1000」の本格サービス化を予定しています。
■重力発生装置「TAMAKI」について
「TAMAKI」は、人類の月面進出を見据え、月面での生態循環維持システム構築に向けたプロジェクト「NOAH」の第二弾となる装置です。給水機能を備えた植物栽培装置の開発を予定しており、装置の一部を回転させることにより生じる遠心力を用いて、月面と同じ地球の6分の1の重力を再現します。発生させる重力は、月面と同じ地球の6分の1の重力の他、回転速度を変更することによりさまざまな重力環境を再現します。開発する装置は、民間企業や研究機関向けに、実験環境として提供します。
プロジェクト「NOAH」の第一歩の位置づけとなる重力発生装置「AMAZ(アマツ)」は、2024年のISSへの設置・運用を目指し、地上実験を進めております。
■株式会社ElevationSpaceについて
ElevationSpaceは、誰もが宇宙で生活できる世界を創り、人の未来を豊かにすることを目指している東北大学発の宇宙スタートアップです。東北大学吉田・桒原研究室でこれまで開発してきた10機以上の小型人工衛星の知見・技術を生かし、人工衛星内で実験や製造棟を行うことのできる小型宇宙利用・回収プラットフォーム「ELS-R」を開発しています。
会社名:株式会社ElevationSpace(英文表記:ElevationSpace Inc.)
所在地:〒980-0845 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1 東北大学マテリアル・イノベーション・センター401号室青葉山ガレージ
設立:2021年2月
代表者:代表取締役CEO 小林稜平
ホームページ:https://elevation-space.com/
事業内容:小型宇宙利用・回収プラットフォーム事業、宇宙輸送事業、宇宙建築事業
■株式会社DigitalBlast(デジタルブラスト)について
DigitalBlastは、“宇宙に価値を”提供するため、常に挑戦し、全ての行動と活動において価値を生み出す経営を実現します。日本の宇宙産業をより価値あるものにしていくためには、BtoGビジネス(企業対行政間取引)に偏らない、多様な収益源の確保が必要です。事業戦略・デジタル・プロモーションなど多様なプロフェッショナルが在籍し、総合提案を強みとしています。クライアントの収益源を多様化し、新たな宇宙産業の価値確立に努めてまいります。
会社名:株式会社DigitalBlast(英文表記:DigitalBlast Inc.)
所在地:〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-7-9 神田司町PREX7階
代表者:代表取締役CEO 堀口真吾
設立:2018年12月
ホームページ:https://digitalblast.co.jp/
事業内容:企業変革に関する企画・設計及び支援、デジタル技術の開発及び支援、統合マーケティングサービス、デジタルマーケティングサービス、インターネット広告サービス、動画制作及び配信